ASI時代、日本はまたTRONの二の舞になるのだろうか

人工超知能(ASI)の時代と日本の未来をイメージしたAIのイラスト 気になる世の中
人工知能は人類の未来を変えるのか。それとも日本は再び世界標準を逃すのか。

最近、「ASI」という言葉を耳にするようになりました。

AIなら聞いたことがある。

ChatGPTも使っている。

でも、ASIと言われると、何のことか分からない人も多いでしょう。

ASIとは、簡単に言えば「人間より賢いAI」です。

医学でも、法律でも、経営でも、発明でも、人間を上回る能力を持つと考えられている未来のAIです。

まだ実現しているわけではありません。

しかし、世界中の巨大企業が何兆円という資金を投じて開発競争を始めています。

私は、この話を聞くたびに、ある技術を思い出します。

TRONです。

1980年代、日本が世界に先駆けて開発したコンピューターOSです。

当時は「世界標準になる可能性もある」とまで言われました。

ところが結果は、アメリカのOSが世界を席巻し、TRONは一部の組み込み機器などで活躍するものの、パソコンの世界標準にはなりませんでした。

技術が悪かったからではありません。

政治、標準化、資金、世界戦略。

そうした総合力で負けたと言われています。

私は、AIも同じ道を歩まないかと少し心配しています。

日本の技術者は今でも優秀です。

ノーベル賞を受賞するような研究者もいます。

しかし、AIの世界では「良い技術を作ること」と「世界を取ること」は別の話です。

世界を取るには、莫大な資金、半導体、データセンター、そして国家戦略まで必要になります。

残念ながら、その点ではアメリカが一歩も二歩も先を進んでいます。

では、日本には未来がないのでしょうか。

私は、そうは思いません。

世界一のAIを作れなくても、世界一AIを使いこなす国にはなれると思っています。

日本はこれから、高齢化がさらに進みます。

介護、医療、人手不足。

AIが最も役に立つ分野が、日本には数多くあります。

海外で開発されたAIを、日本流に改良し、現場で役立てる。

それも立派な戦略です。

ただ、一つだけ忘れてはいけないことがあります。

AIの頭脳を外国に握られ続ける国と、自分たちでも作れる国では、将来の選択肢が大きく違ってきます。

私は、TRONの時代を知る世代だからこそ、今回のAI競争は他人事とは思えません。

「また同じことを繰り返すのか。」

それとも、

「今度こそ、日本らしい強みを生かせるのか。」

ASIの時代は、そんな問いを私たちに投げかけているように思います。

これは技術の話でありながら、日本のこれからの生き方の話でもあるのかもしれません。

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